笑いにまみれろ

萬劇場 夏の短編集「折戸通りの小さなストーリー」参加作品

男子大学生の涙と笑いの日常を描き、近年の劇団作品でも特に人気の高かった
「ほこりにまみれろ」のスピンオフ作品シリーズ第二弾
2025年7月17日(木)〜21日(月・祝) 萬劇場(東京・大塚) ※45分作品
あらすじ
大学を卒業して早2年。晴海十四郎(トシ)は、東京の地でコント師を目指していた。
家族(特に父)の猛反対を押し切り、半ば絶縁状態で上京。演劇サークル時代の同
期・中山悠太(ユウタ)と大塚のアパートに住みながら、アルバイト9割8分、ライブ
2分の青春ライフを謳歌(?)している。
そんなある日、晴海家5人きょうだいの長女・一華が父を連れてライブを観に行くと言い出した。ライブ本番直前、劇場隣の喫茶店で2年ぶりの再会。厳格な父と夢見る息子のすれ違い、されどお互いへの深い愛。
笑ったことのない父を笑わせたい、コミカルでちょっと泣けちゃう45分。
(萬劇場隣の喫茶店「わたや」さんの実話と、無名劇団「ほこりにまみれろ」のコラボ作品です)
登場人物:
晴海十四郎(24) | 中山悠太(24) | 晴海一華(33) | 晴海万作(68) | 深瀬仁(30)
※ほこりにまみれろの登場人物については、こちらをご参照ください。
出演者
天知翔太
泉侃生
島原夏海
大山陽太
川下大洋
上演スケジュール
※上演スケジュールは、後日公開致します。
チケット
※チケット情報は、後日公開致します。
会場
萬劇場(東京都豊島区北大塚2丁目32−22)
萬劇場夏の短編集「折戸通りの小さなストーリー」
東京・大塚の萬劇場の運営で開催される、「商店街」をテーマにした演劇祭。参加団体は折戸通りにあ
る実在の店舗への取材をもとに、作品創作を行う。
<上演形態>
90分作品の1本立て、45分作品の2本立て、30分作品の3本立てを組み合わせ、最大12ステージ上演。(無名劇団は45分作品)
正編『ほこりにまみれろ』について

「わからんやんけ、話したところで。」
なんでもシロクロつけることが、君を形容する言葉を見つけることが、果たして正義だろうか。
コミカルでセンシティブな、90分ワンシチュエーション群像劇。

「多様性」という言葉を、最近よく耳にするようになった。 しかし昨今は、他人に不寛容な社会。異なる生き方をするひと、あるいはせざるを得ないひとたち を、冷酷に弾き出すか、さもなくば徹底した管理下に置こうとする圧力が強く働く。そんな現状で の「ダイバーシティ」なんて言葉、私には空々しい。 学生時代、教室には色々な友達がいて、普段の生活を共にしていた。分かり合えず、時には大喧嘩 に発展する先に、お互いの苦労や考え方を肌で感じていたように思う。わざわざ「多様性とは?」 「ジェンダーとは?」と学ばなくても、互いを認め合う気持ちが自然とわいていた。 昔より遥かによく耳にするこの言葉が、全く響かないのはなぜだろう。 昔よりも今の方が、閉塞感を感じるのはなぜだろう。 そんな皮肉屋な私の気持ちを、いかにコミカルに伝えるか。 そんな思いで、男子寮にブラジャーが落ちていたことから始まる、ワンシチュエーションの会話劇 を2023年に創作した。
脚本・演出 島原夏海
≪舞台≫
老朽化が進む、寂れた男子学生寮。
1. 木造二階建て 築108年
2. 和室120部屋(いずれも相部屋)現在の入居率は10%以下
3. 寮費:1ヶ月あたり約2500円
(寄宿料400円・水光熱費約1600円・自治会費500円)
4. 炊事場・トイレ・シャワー・洗濯場・畑あり(いずれも共同)
≪あらすじ≫
とある郊外の大学の学生寮「アイザワ寮」。
築100年を超える建物らしく、老朽化が進んでいる。寮費は1ヶ月あたり約2500円、年3万
で住めて、大学まで徒歩一分で行けて、暇なときには寮生がいる〝最高のおうち〟。1階は
食堂、2階が男子フロア、3階には集会所という名の麻雀部屋。
寮には様々な学生がいる。自分とは全く異なるタイプの性格や考え方。そんな中で共同生
活を送っているのだから、トラブルなんぞ起こらない方がおかしい。重要なのは、トラブ
ルが起きたときにどう解決するかである。当事者間で話し合って解決にたどり着くことが
アイザワ寮の原則。このように寮生たちは、戦前から代々続く「話し合いの原則」基づき
日々を過ごしていたが、それも少し前までの話。今は完全に、大学によって管理されてい
る古くて汚い学生寮だ。
そんななか、アイザワ寮がついに取り壊されることとなった。
寮生退去の理由として、「安全確保」に加え、現在の運営実態が「不適切」だとして「学
生寮の適切な管理の実現」を掲げた。新たに建てられたのは、上層階に性別を問わない
LGBT専用フロアを設置した、スーパー綺麗な〝今ドキ〟の寮「オリーブハウス」。
アイザワ寮最後の寮長・ヒラメに対し、ひそかな恋心を抱く同室の男・大吾郎。自分の性
対象が男であることを、自分でも受け入れがたい大学2年生の大吾郎は、今まで曖昧だった
ものが、はっきりと鮮明に区別しなければならないような瞬間に面食らう。
これまで均衡が保てていた寮生たちの日常が、掘り起こされ、崩れていく。
「分断」が進む現代への皮肉を込めた、大学生たちの日常コメディ群像劇。
▼リンク
・「ほこりにまみれろ」公演ページ
・2023年上演「ほこりにまみれろ」舞台映像
≪登場人物≫ ※「笑いにまみれろ」は、黄色のハイライトの登場人物のエピソードになります
▼アイザワ寮の寮生
【平田かなめ】 4年生。あだ名『ヒラメ』。アイザワ寮の寮長を務めている。
趣味は手芸。自分の父親も寮長を務めたアイザワ寮を誇りに思う。
【晴海大吾郎】 3年生。厳格な家庭に生まれた5人兄弟の末っ子。空手部。
男らしくありたいと思う一方で、自分のアイデンティティに揺れる。
【深瀬仁】 4年生。あだ名『プーさん』。3浪しているアイザワ寮の主。
どうすれば社会に出ずに生きていけるか模索中。
【晴海十四郎】 4年生。大吾郎の兄。代々男は自衛官になるという家のしきたりを無
視して、夢は俳優になること。
【小田博之】 4年生。一流企業への就職を目指すもプレッシャーに弱い。SPI能力検査・性格診断の対策に余念がない。
【野口拳】 3年生。寝る間を惜しんでバイトをして学費を稼ぐ苦学生。
アイザワ寮に入寮したのは家賃が圧倒的に安いから。
【岡剛志】 3年生。過干渉気味の母から逃れたくて、学生寮への下宿を選択。
【河上涼介】 3年生。実家が金持ち。アイザワ寮に入寮したのは、学生の頃にしか
できないことをやってみたかったから。
▼外部の人たち
【岡田ヒナ】 涼介の彼女で心理学部。バスケサークルのマネージャー。
【堀井玲子】 大学職員で学生寮との窓口係。
【井上芽依】 4年生。新たな学生寮「オリーブハウス」3階フロア寮長
スピンオフ作品『好きにまみれろ』
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「ほこりにまみれろ」スピンオフ作品第一弾『好きにまみれろ』
2023年8月 萬劇場夏の短編集にて上演。商店街に店舗をかまえる居酒屋・石田家の実話と、「ほこりにまみれろ」のアナザーストーリーを掛け合わせた物語。(30分間)