ABCホールで単独公演決定!

私にも、劇団にも、「今」しかないと思ってやってきました。3年前、緊急事態宣言発令により、HEP HALLでの公演が中止となり、「演劇を上演できることは当たり前ではない」と身に染みて感じて以来、現在までの3年間、年間10本以上の公演を打ち続けてきました。また次、いつできなくなるかわからないから。
コロナだけではありません。突然私が演劇ができなくなる状況になるかもしれない。劇団が解散するかもしれない。あす、社会が崩壊するかもしれない。謎の使命感と焦燥感に突き動かされる中で、今がどんな状況であれ、「目の前の公演を劇団史上最高作にする」という思いで、日々励んでまいりました。描いた理想を形にすることはとても困難で、私はいつでも「本当はもっと出来たのに」という思いを本番終わりに抱いています。100%、120%で挑んでも届かない何かがあって、それを繰り返して劇団再復活8年目に入りました。きっとそれが「野心」なんだと思います。
この年月の中で、「成長した」と断言できることはありませんが、年々一歩ずつ、背伸びしたチャレンジができるようになり、そしてついに再復活当初の、家族や身内にしか観にきてもらえなかった頃に笑話にしていた「ABCホールで自主公演を打つ」という夢が10月、現実のものとなりました。
本当はちょうどその頃に、別件で素敵なお話をいただきました。しかしどうしても叶えたい公演があると、お断りしてこちらに挑むことになりました。その際言われた「今が一番大事な時やな」というお言葉。まさにこの公演が、今後の我々の全てを決めると思います。今、目の前を大切に。今出せる全てで挑みたいと思います。
無名劇団代表 島原夏海